詩篇79-80; ローマ11:1-18

詩篇

第79篇

79:1神よ、もろもろの異邦人はあなたの嗣業の地を侵し、
あなたの聖なる宮をけがし、
エルサレムを荒塚としました。
79:2彼らはあなたのしもべのしかばねを
空の鳥に与えてえさとし、
あなたの聖徒の肉を地の獣に与え、
79:3その血をエルサレムのまわりに水のように流し、
これを葬る人がありませんでした。
79:4われらは隣り人にそしられ、
まわりの人々に侮られ、あざけられる者となりました。
79:5主よ、いつまでなのですか。
とこしえにお怒りになられるのですか。
あなたのねたみは火のように燃えるのですか。
79:6どうか、あなたを知らない異邦人と、
あなたの名を呼ばない国々の上に
あなたの怒りを注いでください。
79:7彼らはヤコブを滅ぼし、
そのすみかを荒したからです。
79:8われらの先祖たちの不義をみこころにとめられず、
あわれみをもって、すみやかにわれらを
迎えてください。
われらは、はなはだしく低くされたからです。
79:9われらの救の神よ、
み名の栄光のためにわれらを助け、
み名のためにわれらを救い、
われらの罪をおゆるしください。
79:10どうして異邦人は言うのでしょう、
「彼らの神はどこにいるのか」と。
あなたのしもべらの流された血の報いを
われらのまのあたりになして、
異邦人に知らせてください。
79:11捕われ人の嘆きを
あなたのみ前にいたらせ、
あなたの大いなる力により、
死に定められた者を守りながらえさせてください。
79:12主よ、われらの隣り人があなたをそしったそしりを
七倍にして彼らのふところに報い返してください。
79:13そうすれば、あなたの民、あなたの牧の羊は、
とこしえにあなたに感謝し、
世々あなたをほめたたえるでしょう。

第80篇

80:1イスラエルの牧者よ、
羊の群れのようにヨセフを導かれる者よ、
耳を傾けてください。
ケルビムの上に座せられる者よ、
光を放ってください。
80:2エフライム、ベニヤミン、マナセの前に
あなたの力を振り起し、
来て、われらをお救いください。
80:3神よ、われらをもとに返し、
み顔の光を照してください。
そうすればわれらは救をえるでしょう。
80:4万軍の神、主よ、
いつまで、その民の祈にむかって
お怒りになるのですか。
80:5あなたは涙のパンを彼らに食わせ、
多くの涙を彼らに飲ませられました。
80:6あなたはわれらを隣り人のあざけりとし、
われらの敵はたがいにあざわらいました。
80:7万軍の神よ、われらをもとに返し、
われらの救われるため、み顔の光を照してください。
80:8あなたは、ぶどうの木をエジプトから携え出し、
もろもろの国民を追い出して、これを植えられました。
80:9あなたはこれがために地を開かれたので、
深く根ざして、国にはびこりました。
80:10山々はその影でおおわれ、
神の香柏はその枝でおおわれました。
80:11これはその枝を海にまでのべ、
その若枝を大川にまでのべました。
80:12あなたは何ゆえ、そのかきをくずして
道ゆくすべての人にその実を
摘み取らせられるのですか。
80:13林のいのししはこれを荒し、
野のすべての獣はこれを食べます。
80:14万軍の神よ、再び天から見おろして、
このぶどうの木をかえりみてください。
80:15あなたの右の手の植えられた幹と、
みずからのために強くされた枝とを
かえりみてください。
80:16彼らは火をもってこれを焼き、
これを切り倒しました。
彼らをみ顔のとがめによって滅ぼしてください。
80:17しかしあなたの手をその右の手の人の上におき、
みずからのために強くされた人の子の上に
おいてください。
80:18そうすれば、われらはあなたを
離れ退くことはありません。
われらを生かしてください。
われらはあなたのみ名を呼びます。
80:19万軍の神、主よ、われらをもとに返し、
み顔の光を照してください。
そうすればわれらは救をえるでしょう。


ローマ

第11章

11:1そこで、わたしは問う、「神はその民を捨てたのであろうか」。断じてそうではない。わたしもイスラエル人であり、アブラハムの子孫、ベニヤミン族の者である。11:2神は、あらかじめ知っておられたその民を、捨てることはされなかった。聖書がエリヤについてなんと言っているか、あなたがたは知らないのか。すなわち、彼はイスラエルを神に訴えてこう言った。11:3「主よ、彼らはあなたの預言者たちを殺し、あなたの祭壇をこぼち、そして、わたしひとりが取り残されたのに、彼らはわたしのいのちをも求めています」。11:4しかし、彼に対する御告げはなんであったか、「バアルにひざをかがめなかった七千人を、わたしのために残しておいた」。11:5それと同じように、今の時にも、恵みの選びによって残された者がいる。11:6しかし、恵みによるのであれば、もはや行いによるのではない。そうでないと、恵みはもはや恵みでなくなるからである。11:7では、どうなるのか。イスラエルはその追い求めているものを得ないで、ただ選ばれた者が、それを得た。そして、他の者たちはかたくなになった。
11:8「神は、彼らに鈍い心と、
見えない目と、聞えない耳とを与えて、
きょう、この日に及んでいる」
と書いてあるとおりである。11:9ダビデもまた言っている、
「彼らの食卓は、彼らのわなとなれ、網となれ、
つまずきとなれ、報復となれ。
11:10彼らの目は、くらんで見えなくなれ、
彼らの背は、いつまでも曲っておれ」。
11:11そこで、わたしは問う、「彼らがつまずいたのは、倒れるためであったのか」。断じてそうではない。かえって、彼らの罪過によって、救が異邦人に及び、それによってイスラエルを奮起させるためである。11:12しかし、もし、彼らの罪過が世の富となり、彼らの失敗が異邦人の富となったとすれば、まして彼らが全部救われたなら、どんなにかすばらしいことであろう。
11:13そこでわたしは、あなたがた異邦人に言う。わたし自身は異邦人の使徒なのであるから、わたしの務を光栄とし、11:14どうにかしてわたしの骨肉を奮起させ、彼らの幾人かを救おうと願っている。11:15もし彼らの捨てられたことが世の和解となったとすれば、彼らの受けいれられることは、死人の中から生き返ることではないか。11:16もし、麦粉の初穂がきよければ、そのかたまりもきよい。もし根がきよければ、その枝もきよい。11:17しかし、もしある枝が切り去られて、野生のオリブであるあなたがそれにつがれ、オリブの根の豊かな養分にあずかっているとすれば、11:18あなたはその枝に対して誇ってはならない。たとえ誇るとしても、あなたが根をささえているのではなく、根があなたをささえているのである。


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